光と影から生まれる真実
写真家・土門拳氏の写真集「古寺巡礼」が出版されています。
私は、学生時代に土門拳氏を先生として
講義を受けたことがありますが、
既に車イスで、写真を撮影するにも指示するだけでした。
学生である私はその風景に疑問を持ち、
何もせずに、シャッターだけ押す姿に、
「これで、ほんとに写真を撮った」と言えるのかと。
土門拳氏が亡くなられ、
土門氏の若い頃からの写真を集めた展覧会が催されました。
リアリズムを追求した写真は、
生前から写真を見ていたのに、私には衝撃的な写真となりました。
以前とまったく感じ方が違うからです。
土門氏は、般若心経の出会いから
仏像を撮影したのではないかと感じたのです。
私が学生の時には気づかなかった仏像の写真は
光と影を巧みに利用し、
仏像の持つ心を写真的に表現して
観るものへ語っています。
誰が準備しようが、シャッターを押そうが
土門氏の「光」と「影」のタイミングで撮れている
土門氏の写真だったのです。
土門氏は長年の撮影で現場から
リアリズムの現実を
「光」と「影」の両面を見て
自分なりの写真で悟りの境地に至り
仏像表現となったのかもしれません。
この写真の出会からも、
同じものであっても捉え方の違いがあり、
「光」があれば「影」もあり、
両方の中に真実は隠されているのです。
2008年04月30日
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